新型コロナ感染症に対して、家族がコロナに感染したらどうしよう。
どこで隔離して看病すればいいのか?などを考えたとき、
家全体を換気してくれる24時間換気は非常に有効です。
ですが、24時間換気はずっと動ているだけに電気代が気になるもの。
今回は全熱交換器(ロスナイ)の性能とその電気代に注目してみていきたいと思います。
24時間換気の強い味方。全熱交換器とは
換気というと、窓を開けて外の空気を取り入れることや、換気扇を付けて家の中の空気を外に出す。
ということが思い浮かぶかなと思います。
そうすることで換気はできるのですが、家の中で暖めた(冷やした)空気も一緒に外に出てしまいます。
また、外気の熱い、もしくは寒い外気が家の中に入ってきてしまうため、エアコンでもう一度調整する必要があり、環境的にも電気代的にももったいない話になってしまいます。
その熱の損失をできるだけ少なくするものが全熱交換器です。
全熱交換器の仕組み
全熱交換器は、簡単に言えば、換気扇に室内からの排気と外から取り入れる給気との間で、熱をやりとりする機械になります。
換気扇や窓を開けることは、この熱交換をほぼ行わずに換気することになるためもったいないのですが、全熱交換器による換気をすることで熱を一般に70%程度、受け渡しをして室内に新鮮な空気を取り入れることができます。
また、すべての熱を交換するのではなく、室内の温度が高く涼しくしたい場合、外気が涼しければ熱交換を行わずに直接外気を取り入れる外気冷房を行うことで節電も可能にしています。
室内、屋外のホコリ取り機能
また、全熱交換機にはフィルタが取り付けられており、そのフィルタを空気が通ることにより、ホコリなどを取り除くことができます。
取り付けられているフィルタの種類にもよりますが、外のホコリを取るだけでなく、花粉を通さないフィルタや、PM2.5なども取り除く目の細かいフィルタを取り付けられるものもあります。
コロナウィルスを取り除くためにはHEPAフィルタという0.3μmの小ささのゴミを99.97%以上の補修率を持つものであれば大丈夫とも言われていますが、コロナウィルスの大きさは0.1μmと言われているため十分では無いのではないかと思います。
そこまでの機能は必要なくても、空気清浄機のような働きもしてくれますので色々とメリットがあります。
そうなると心配な電気代
換気もでき、省エネもでき、ホコリも取れる全熱交換器ですが、そうなると心配なのが電気代です。
基本は24時間運転させるため、少しの電気代の違いも大きなものになりかねません。
それだけの機能もあるため、電気代は高そうな気がしますが、機器の中身としては換気扇の発展型なので、それほど電気代はかかりません。
我が家に取り付けられている全熱交換器のロスガード90(ハウスメーカー専用品)の例ですが、24時間運転させて、おおよそ月1,600円ほどでした。
一条工務店の全熱交換機ロスガード90
我が家の全熱交換機は一条工務店とダイキンの共同開発製品であるロスガード90というものが設置されています。
先ほど通常の熱交換率は70%程度としましたが、これはなんと熱交換率90%とのこと。
ただ、全熱交換機から出てくる風は、あくまで換気した風なので、実際に部屋の中で扇風機を回している状態(全熱交換機で例えれば交換率100%)でも涼しく感じるのですから、90%で外気と熱交換した風が体に当たれば寒く感じてしまいます。
実感しにくいというのがその機器の寂しいところですが、高気密高断熱の我が家としては、このロスガード90での換気は必須の機器になります。
隙間風のほとんど無い家では換気をしないと二酸化炭素濃度が上昇して、作業効率が悪くなります。
RC造のビルなども隙間がほとんどないため、換気設備が必須になるようなイメージが木造でも同様に起こります。
全熱交換器(換気)が故障したら息苦しくなる?
全熱交換器で換気される換気量はある程度設定できますが、基本的には建築基準法で定められている2時間で1回室内の全空気が循環する量に定められているものと思われます。
その換気が全熱交換器の故障によって止まるということは室内の空気が入れ替わらないということになります。
ただ、実際には、窓のサッシや壁の隙間などあらゆるところに隙間はあります。そこから入る外気によって息苦しくなるほど酸素が薄くなることはありません。
ですが、環境基準として二酸化炭素濃度は1000ppm以下に保つ必要があると定められていることからも、室内環境は悪くなる可能性は高いです。
また自然換気があまりされない(気密性が高い)建物の場合、湿度がこもりやすく、臭気も感じやすくなる可能性があります。
ですが、全熱交換器が故障したとしても、すぐに異常が出るわけではありません。
全熱交換器の設置は工事が必要
全熱交換器は事務所のような空間全体の換気量を持つものから、家庭用のものまでありますが、どちらも壁に換気用の穴をあける必要があるため、工事が必要です。
また、取り付け位置付近に電源も必要となるため、用意がなければ電気工事も必要になってきます。
新築時やリフォーム時以外で取り付けようとする場合を除くと、購入費用の他に、数万円~の工賃がかかってきそうです。
エアコンのような真空引きなどはする必要はなく、技術的な要素は少ないですが、それでも壁に穴をあける、電気を用意するというのは難しいかなと思います。
今回は換気についての全熱交換器についてまとめてみました。
コロナ禍において換気設備の重要性は高まってきています。
家に一部屋でも全熱交換器による換気設備を取り付けておくと、インフルエンザも含めて他の感染症に対しても対策ができそうです。
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