自分が住宅ローンを借りたのはもう5年ほど前。
その頃でもかなり安い金利ではあったのですが、最近はまだ、下がっているようですね。
今借りられている金利と現在の金利の差が1%ぐらいになったら借り換えを検討するといいかもしれません。
住宅ローンの借り入れをした際に、10年固定の固定金利期間が終わった後、どうなるのか?
という質問をしたところ、そのような回答が返ってきました。
ふ~んそうなんですね~1%なんて差、本当にでるんですか~。
なんてことを真に受けていたのですが、金利はどんどん下がってきています。
自分が借りた金利は10年固定で1.25%。これから1%下がるということは0.25%以下です。
金利固定期間中はそんなことはないよね、と思っていたのですが、そもそもよく考えたら”銀行員さん”から聞いた話です。
借り換えなんてして欲しくないはず。と考え直し検討してみることにしました。
借り換えのしたほうがいい実際のラインは金利差0.3%?
住宅ローンの借換えについて、大きな壁として立ちはだかるのが銀行の手数料や、登記関係の司法書士手数料でした。その点について改めて調べてみると、金利差は0.3%差があればメリットが出る。との意見もありました。
もちろん元の金利がどれぐらいか?また残高は?支払い残期間は?など色々ありますが、兎にも角にも計算してみないことにはわからなさそうです。
なんせ固定金利1.25%。そこそこ低く借りられているはずです。
低金利の時代、どれぐらいまで銀行の金利が下がっているか見てみると。
0.3%どころか0.8%以上差が開いています^^;
現在の10年固定から変動金利に変更するのは多少勇気がいりますが、ローン残高がたっぷり残っている当初の変動金利よりも、数年経過して残高が減っている状態での変動金利ではリスクかなり低くなっています。
”固定金利だから借り換えも固定金利”と枠にはめずに検討してみると案外オトクなプランが見つかるかもしれません。この辺りは後から紹介したいと思います。
大きく違う!借り換えの重要項目 銀行手数料と司法書士手数料
借り換えの基準となる金利差は0.3%だよ、1%だよ。という理由はこの銀行の事務手数料や保証料、抵当権の抹消、再設定の司法書士手数料が原因です。
まずは司法書士手数料から見ていきます。
司法書士手数料の中身。抵当権設定って何?
抵当権とは、万が一住宅ローンの支払いができなくなってしまったとき、土地、建物を売却して貸していたお金を回収しますよ。
聞くだけだと結構怖い権利です。
これを銀行が、住宅ローンとして多額のお金を貸し出す代わりに、保険として担保である土地、建物を一番に回収できるように設定するためのものです。
これを、登記の専門家である司法書士に依頼して、確実に抵当権を設定するために必要な手数料です。
おおよそ印紙代なども含めて20万円ぐらいかかります。
借り換えを行う場合は、必ずかかってきます。まず避けられない費用です。
ここが違う!銀行の手数料と保証料
続いて銀行の手数料ですが、これは銀行が住宅ローンを支払うために銀行内で必要な事務手数料になります。
金額は3万円ぐらいから貸出金額の2.16%などと、その差が非常に広くなっています。(3000万円借りたい場合の2.16%は約65万円。かなり高い)
また、同様に支払う必要が出てくる保証料とは、万が一あなたが住宅ローンを払えなくなった時に、あなたの代わりに銀行にお金を支払ってくれる会社に支払うお金です。
担保も取っているのにさらに?
と思うのですが、銀行に取っても万が一の時の保険のようなものです。
その保証される金額と期間によって保証料が変わってきます。当然ローン金額が多くなり、借りている期間が長くなれば保証料も高くなっていってしまいます。
一般に保証料は住宅ローン総額の2.16%程度とされています。
3000万円借りた場合、約65万円程度が保証料として保証会社に支払う必要があります。
ただし、この保証料は金額と期間によって設定されるため、繰り上げ返済などをした際には、ローン残高も減り、支払い期間も減るため、保証する必要のある期間+残高が少なくなるため返金されるお金になります。
住宅ローンを新規に借りる時はそこまで気にならないポイントですが、借り換えの場合、ここはかなり重要なポイントになってきます。
順に説明していきます。
住宅ローンの事務手数料と保証料の落とし穴
最近のネット銀行などは、
保証料は不要ですよ。
というところが非常に多いです。
保証料不要!?普通だったら60万円ぐらいかかるのに?
と思うのですが、そういうところはまず間違いなく事務手数料が高く設定されています。
それもほぼローン総額に対して2.16%などと、通常の保証料と同額になっていることが多いです。
これは何が違うかというと、保証料として納めたお金は、繰り上げ返済を実行した時に返金されますが、事務手数料として支払ったお金は手数料なので返金されません。
返ってくるはずの保証料は銀行に入るだけであなたには1円も戻ってきません。
当然、新規で住宅ローンを借りている人にとってすれば、保証料が無ければ、返金があることの説明もありません。
繰り上げ返済を予定している人にとってすれば、せっせとがんばって繰り上げ返済することで、銀行さんが喜ぶ仕組みになっています。
もちろんローン残高が減ることで、支払う利息も連動して減りますので、借りている側として繰り上げ返済はメリットも大きいのですが、本来返金されるべきお金が返ってこないことは釈然としないものがあります。
現在の銀行の住宅ローンでは保証料不要のところが多い。
保証料不要を謳っているところは、大抵事務手数料が元金の2.16%となっています。
変動金利での銀行について比較的金利の安いところを参考に集めてみました。
銀行 | 金利 | 事務手数料 | 保証料 | 保証会社手数料 |
りそな銀行 | 0.429% | 元金×2.16% | 不要 | 0円 |
住信SBIネット銀行 | 0.418% | 元金×2.16% | 不要 | 0円 |
じぶん銀行 | 0.457% | 元金×2.16% | 不要 | 0円 |
楽天銀行 | 0.527~1.177% | 324,000円 | 不要 | 0円 |
ソニー銀行 | 0.507% | 元金×2.16% | 不要 | 0円 |
三菱UFJ銀行ネット | 0.525% | 0円 | 必要 | 32,400円 |
(2018年11月調べ)
挙げた中では、三菱UFJ銀行(ネット専用)のみが保証料として設定がありましたが、他は事務手数料として全て回収されてしまうようです。
本来であれば繰り上げ返済や借り換えをした段階で返金されるべきお金なのですが、事務手数料として支払った場合返金はありません。
実際に保証料はどれぐらい帰ってくるの?
例えば3,000万円、35年間で住宅ローンを借り入れている場合、その2.16%である約65万円を最初に保証料で支払っていることになります。
住宅ローンを借りている人の殆どが繰り上げ返済を実施し、平均して14年程度で完済しているというデータもあります。
残り30年間が14年になるのであれば、返金される保証料もそれなりに大きくなってきます。
今回の場合、借り換え先に支払う保証料相当のものが65万円ほどになりますので、14年で返済となれば、返済の仕方によりますが、20万円~25万円程度は返金されるのではないでしょうか。
決して安くない金額です。
銀行側としても、早く返済したい、利息をなるべく少なくしたい。という思いを見透かした上で、繰り上げ返済することで浮いてくる保証料を見越して金利を安くしているのかもしれません。
事務手数料として保証料を支払うような銀行で住宅ローンを借りた場合、このことは借り換えメリットを考える上で大きなデメリットとなります。
今借りている住宅ローンで保証料を払っていれば大部分が返ってくる。
ですので、借り換えを行う時に、現在の住宅ローンを借りる際に、保証料を払っているかどうかも1つの大きなポイントです。
現在保証料として最初に支払っていれば、借り換えを行った時にそのまま返金された保証料を、次の銀行の保証料(事務手数料)充てることができます。※ローンを完済する際に保証会社に支払う手数料、保証会社の事務手数料がかかってくるため、10万円程度は差額が出る場合があります。
ただ、保証料0円。事務手数料2.16%!となっている銀行で住宅ローンを借りている場合。保証料は新たに用意する必要があります。
保証料は65万円は借り換えのメリットからすると相当大きいものになります。
借り換えをする、もしくはどーんと繰り上げ返済をする場合。返金される保証料も考慮しつつ借り換えのメリットを含めて計算する必要があります。
借り換えた先の繰り上げ返済手数料
その他、繰り上げ返済する場合、繰り上げ返済手数料も考慮しておいたほう良いです。
繰り上げ返済手数料0円!となっていても、保証会社に支払う手数料が1回当たり10,800円かかるケースが多く見られます。
返金される保証料と差し引きされるため非常にわかりにくくなっている事が多いですので、問い合わせしないとわからなかったりします。
続いて借り換えた場合に変動にするか、固定金利にするかを考えていきます。
10年固定金利から10年固定金利へ変更する大きなメリット。
安い変動金利もかなり魅力的ですが、やっぱり期間固定金利の安心感も大きなメリットです。
じゃぁ、10年固定から10年固定へ変更する場合、金利差と手数料だけ見ればいいよね。
と、そう考えてしまうのはもったいないです。
10年固定金利を選択するメリットは、借り換えたときから10年固定金利ということが大きなメリットになります。
固定金利の場合、固定金利期間が終わった時に、ガツンと金利が上がるようになっています。
固定期間が終わったら変動金利になりはするのですが、その時に変動金利で契約した人と同じ金利にはなりません。
表示されている店頭金利から当初契約した固定金利終了後の優遇金利分を引いたものが、固定期間終了後の変動金利になります。
まぁ、大抵高いです。
自分が借りている銀行では、固定金利期間終了後の金利は0.85%増加する予定でした。
借り換えする時の金利差が0.3%出れば借り換えを検討するメリットがある中で、この固定期間終了後の金利上昇はかなり考えさせられます。
現在固定期間がどれぐらい残っているのか?固定期間終了後どれだけの金利になるのか?
ということを考慮しながら、さらにこれから10年固定してくれる住宅ローンに借り換えるのか?は大きなポイントです。
10年固定期間終了後は借り換えのメリットが少ない。
だったら10年固定期間が終了して、金利が高くなる時点で借り換えればいいのでは?と考えてしまうのですが、繰り上げ返済も含めて平均14年で住宅ローンを返済する計画の場合、10年経過後の住宅ローン残高はかなり減っていると思います。
住宅ローンの借り換えを考慮したほうが良い条件として、残高が1000万円以上残っている。返済期間が10年以上残っている、というものがあるように、ローン残高、返済期間が多いほうがメリットが多くなります。逆に少なければ、事務手数料や司法書士手数料のデメリットが非常に大きくのしかかってきます。
10年経過後、金利は高くなるけれども支払額がそれほど増えないのであれば、ちょっと苦労して借り換えをするよりも、そのまま支払い続けようとする人が多いのではないでしょうか。
借り換えを考えて言いる方は固定期間終了を待つ必要はありません。早く実施したほうがお得になります。
変動金利はほとんど変動していない。
続いて変動金利を見ていきますが、変動金利はどんどん下がってきて、今やりそな銀行は0.429%にもなっています。
変動金利で借りていたから、私も同程度まで金利が下がっているのね。
と思っているとそうではありません。
実は変動金利は全然動いていません。
変動金利は短期プライムレートという指標で動くのですが、これがここ20年ほど、ほとんど動いていません。
※大体1.375%~1.875%だが、ほとんどの期間1.475%で固まっています。
下がっているのは、銀行が貸し出す変動金利が下がってきているだけです。言ってしまえば売れないから価格を下げているようなもの。
変動金利で借りている人は、高い変動金利の人と、安い変動金利の人といるということです。
変動金利で借りている人すべてが同じ金利で支払っているわけではありません。
変動金利の人も借り換えのメリットは大いにあります。
借り換えの基準をしっかり計算してみよう。
住宅ローンの借り換えの基準は借り換えた時に返済総額が減るかどうかという単純な中身です。追加で考えるならば書類などを整えるための手間をどう捉えるかですが、今回はその点を省いて考えていきます。
住宅ローンの借り換えでメリットが出そうなのが。
・金利差0.3%以上
・ローン残高が1000万円以上
・支払い残期間が10年以上
と言われています。
これらの条件に合う方は借り換えをすることでメリットが出てくる可能性が高いです。
実際に借り換えで計算してみることにしてみました。
ケース1 変動金利から変動金利へ借り換えを行う。
ローン残高2000万円
支払残期間 20年
で計算してみます。
対するは、借り換える銀行。
借り換えローン残高は2000万円
支払残期間は20年で同一。
ただし変動金利は借り換え後、3年に一度0.1%ずつ上昇するリスクで計算します。
※金利や上昇率はただの一例です。
金利差は0.5%。さて計算の結果は。
金利1.0%で借り続けた場合、現在からの支払総額は2,246万円。
金利0.5%で借りた場合、現在からの支払総額は2,139万円。
その差は107万円となり、司法書士手数料、事務手数料などで60万円※かかったとしても47万円ものメリットになります。
※司法書士手数料20万円、事務手数料、保証料が新たにかかったとして40万円としました。
なんだか2000万円のローンで47万円か~と思うかもしれませんが、されど47万円です。
Nintendo Switch15台買えます。いらないね!
そろそろクリスマスのこと考えないとだな・・・
ケース2 固定金利から固定金利への借り換え
固定期間終了後は2.4%(参考:UFJ銀行の固定期間終了後の金利)
同様にローン残高2,000万円
支払残期間 20年
で計算してみます。
対する借り換えをする銀行は、
固定期間終了後は1.9%(参考:UFJ銀行の固定期間終了後の金利)
借り換えローン残高2,000万円
支払残期間は20年と同一。
で計算し比較します。
こちらも金利差は0.5%。計算の結果は。
金利1.5%で借り続けた場合、現在からの支払総額は2,432万円です。
金利1.0%で借りた場合、現在からの支払総額は2,257万円になりました。
その差はなんと175万円!手数料60万円差し引いても115万円程度メリットがあります。
先ほどの変動金利と同じ金利差なのですが、実質固定期間延長の借り換えメリットは非常に大きくなります。
借り換えって面倒。借り換えに必要な書類一覧
住宅ローンの借換えは、実際に借りるときと同様な手続きがもう一度必要になります。
登記簿を取ってきたり、公図を取得したり。
ハウスメーカーのサポートが無い分、借り換えのほうが大変かもしれません。
※中には銀行が手伝ってくれるケースもあります。
ここに書類の一覧を表示しておきます。UFJ銀行で借り換えを行った時に必要となる書類です。
7大疾病のみ担保特約付ローン返済支援保険申込書(加入依頼書)兼告知書
源泉徴収票(直近のもので個人番号の記載がないもの)(給与所得者の方・本人)
住民税決定通知書(直近のもの)(本人)
確定申告書 3期分(確定申告を実施している方・本人)
納税証明書 3期分(その1・その2)(確定申告を実施している方・本人)
住民票の写(発行後3ヶ月以内のもの・家族全員の記載があり、本籍・個人番号の記載がないもの)
運転免許証またはパスポート、個人番号カード(表面のみ)等(本人)
健康保険証(有効期限内のもの)
現在利用中の住宅ローン返済予定表
現在利用中の住宅ローン返済口座の預金通帳(表紙と直近6ヶ月分のご返済が確認できるページ)
売買契約書(全頁)
工事請負契約書(全頁)
重要事項説明書(全頁)
パンフレット・チラシ等(間取図等)
案内図・住宅地図
建築確認済証・建築確認通知書(1面~5面)
地積測量図
公図(発行後3ヶ月以内のもの)
不動産登記簿謄本(建物)(共担目録付きで発行後3ヶ月以内のもの)(インターネット謄本可)
不動産登記簿謄本(土地)(共担目録付きで発行後3ヶ月以内のもの)(インターネット謄本可)
配置図・平面図
まぁわけわからんです。特に法務局関連の書類が聞き慣れのないものばかりで手間取るかもしれません。
一応法務局や市役所、会社からいただけるか、新築時にもらっている書類ばかりではありますし、大抵はインターネットなどでも請求できるため楽ではありますが、色々と知らないことが多いと、それだけで大変です。
それらの手間を越えたその先には大きな金額のメリットがあります。
がんばって実行したいところです。
今回の検討を踏まえて実行しようとしたところ・・・
以上のように検討した上で、今住宅ローンを借りている銀行さんに、全額返済した時の手数料や、返金される保証料金がどれ位になるかを確認しようとしたところ。
失礼かもしれませんが、借り換えを検討されるということでしょうか?
え、まぁそうですね。金利も下がっていますし。
であれば、一度相談させていただけないでしょうか?当行でも金利は下げられると思いますので。
正直に言うとそういうこともあるかな、と思ってはいたのですが、そんなにあっさりとそういう流れになるとは思っていませんでした。
ただ、提案された金利によっては借り換えのほうがメリットがあるということも大いに考えられます。しっかりと計算していき、メリットを得られるようにがんばっていきます。
次回、銀行さんと直接対決です!(おおげさ)
それでは^^
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